7.理由のない驚きをつくりたい
—これから荒井さんの絵本はどんなふうに進化していくんでしょうか?
荒井:アイデアはずっと考えているものを出しているだけの話であって。そこに新しい発見を盛り込むこともあるけれど、アイデア自体は新しいっていう感覚でつくってるわけじゃなくてね。小出しになっている感じかな。毎回、全く同じものを作ってるような気がする。でも、それでOKって思ってるところもあるんだ。自分は全然飽きてないからね。俺にとっては絵本的なアイデアって、古ぼけたりしないから。
『モケモケ』を皮切りに、これからは字を読めない小さい人たちに見せたい絵本が続くかもしれない。言葉で感動したりするものは排除して、理由のない驚きのあるようなね。そういうものつくりたいなあって思うけどね。
—最後に、子どもに関わる人にとって大切な姿勢について教えてください。
荒井:単純に、子どもに媚びを売らない。やさしくしないとかじゃなくてね。媚びを売らないって、どういうことなのかを各々考えて、それを持ちつつ、子どもに関わるっていう姿勢であってほしいと思うな。 子ども用に自分をチューニングしたらだめだと思う。それは、大人としての大切な姿勢なんじゃないかな。
—今日は本当にありがとうございました!