#005 saitocno さん インタビュー
子どもと大人の文化をつなぐ
子どもと大人を文化でつなぐミニマガジン『BALLAD』の発行人であり、東京町田市にある「しぜんの国保育園」で幼児教育に携わりながら、さまざまな活動をされているユニットsaitocnoさんに子どものこと、音楽のこと、教育についてお聞きしました。
保育園という現場での経験を重ねながらも、なお大きな視点を持って軽やかに活動されているお二人のあり方に強く励まされたような気がしています。
1.何百年も受け継がれるもの
—まず最初に『BALLAD』1をつくられたきっかけから教えてください。
紘良:自分たちが思っていることをまとめたいとずっと思っていて、二人でイギリスに10ヶ月間行くことになったことをきっかけに、少しづつアイデアをあたためました。
渡欧は、ヨーロッパの福祉と文化を学ぶのが目的でしたが、自分たちの視野やネットワークをひろげるためのものとしても捉えていました。イギリスで生活する中で、どうしてこんなに心揺さぶる音楽が何百年もつながって、伝わってきているんだろうって不思議に思うようになったんです。
ずっと受け継がれている音楽、例えば伝承の歌や昔話の中に大切なエッセンスがつまっているんじゃないかと思うようになって。そういうエッセンスを醸し出せるような一冊をつくりたいと思うようになりました。
—具体的にどんなふうにつくっていかれたんですか?
美和:好きな人に声をかけた感じです。制作においては、セキユリヲさん2が手伝ってくれたのが、大きかったですね。すごく支えてくれました。セキさんが、私たちが言いたいことをうまく調整してくれてかたちになったように思います。
紘良:読者と情報提供者という感じじゃなくて、対話できるような雑誌にしたいと思ってましたね。ぼくたちはこういうことが大切だと思うんだけど、どうですか?と問いかけるような気持ちを常に持っていますね。