荒井良二さんインタビュー

#004 荒井 良二さん

6.保育は、保育だけのもの?

—いろんなところにワークショップで行かれてて、環境も考え方も、場所によって全く違ってくると思うんですけど、子どものいる現場を見られていて、何か感じていることがあれば教えてください。

荒井:教育的な観点からは言えないけど、俺自身思うことは、環境が大切だという気がしてるかな。大体、学校って苦手なのよ。学校に行かなきゃならない時もあるけど、入るだけで嫌だもん。学校へ行くと、ある面その子自身が、どこにいるのかわからなくなるところがあると思うんだ。
たとえば、ある学校の保育科で授業をやったんだけど、そこでは「アンパンマン」を教室に貼っててね。「貼るのはいいけど、毎日取り去って帰って欲しい」って話したの。生徒達は毎日そこに通っているわけだから、何も疑問に思っていないのも当然だと思うけどね。 俺は、「アンパンマン」とか「ドラえもん」を貼れば、保育っていいの?って思ってしまうんだ。でも、そういうことに疑問を持たない人たちと話してもなかなか伝わらない。最初から大きなところで溝があるからね。

—こういう場だったらいいなぁ、というイメージはありますか?

荒井:「保育って保育だけのものなの?」って考えてしまうところがあってね。いま教えておかないとならないことで、手一杯になってしまうのはわかるんだけど、それ以外のこと、余計なことが少しでもあれば、おもしろいだろうなって思うんだけどね。「共感覚」っていう言葉をそこで使っていいかわからないけど、「なんだかわかんないけど、これ良い感じ!」って、子どもが感じられるような、そういう場であって欲しいよね。「こうでなければならない!」って、感覚まで型にはめるんじゃなくてね。
教育には、そういう部分もあるんだろうけど、「器」の部分でできることだって、あると思う。椅子ひとつでも、床にしたってね。予算がないからっていうんだろうけど、何かアイデアで出来ることってあると思うな。 「こうしたらこうなる」だけじゃなくて、「こうしたらどうなるんだろう?」っていう感覚がないと、いろんな人のいろんな感覚を引き出せないと思うんだ。