荒井良二さんインタビュー

#004 荒井 良二さん

4.自分の疑問に近づきたい

—荒井さんが絵本をつくられて今年で20年になりますが、当時の絵本を取り巻く状況がどんなものだったのか教えてください。

荒井:絵本をつくりはじめた当時は、絵本っていうものを理解した上で、別のアプローチはないだろうかっていう状況だったかな。絵本のあり方も、今とはだいぶ違うと思う。もっと狭かったんじゃないかな。でも、それが絵本だというふうに、理解しているところもあった。
絵本作家になろうなんて思ってないんだけど、「本」という形に興味があるから、イラストレーションの方向から、アートの方向から絵本を見たらどうだろうって、みんなそれぞれのアプローチで絵本を捉えようとしてた感じがあったよね。

—いま絵本の状況をどんなふうに見られてますか?

荒井:今はもしかしたら、絵本としてのひとつの型が完成したということなのかもね。これに準じていれば一定の購買力は期待できるとか、そういうね。つまんないと思うけどね。
絵本をかくための絵本作家が出てきたっていうこともある。それは何も悪くないよね。だって、職業なんだから。だけどさ、それが状況を悪くしているのかもしれないね。何か、同じというか、つまらないよね。団子は団子なんだけど、いろんな味の団子が次から次にでる。最初は新しい味かと思うんだけど、「なんだ、団子かあ」みたいなね。
俺が絵本をつくりたいって思う発露は、「商品」としての絵本とはだいぶ違うと思う。それで売れればいいけど、あんまり気にならないかな。何が売れるかってことを考えるよりも、自分の疑問に近づいていく方が断然おもしろいもんね。