#002 萩原 修さん

5.世の中を良くしていくためのデザイン

こわっか
こわっか デザイン:小野里奈 ベルトやカバンにつけられて、いつでもどこでもつかまれる、ちょっと小さめの「つり革」。
こわっか
こわっか

遠藤:そんな運動好きの少年が、どんなきっかけで美術大学を選んだんですか?

萩原:あまり遠くに行くのが好きじゃないんですよ。だから大学も家から近いところっていう判断基準でいくと、選択肢があんまりなくて。入れそうなところといったら、武蔵野美術大学しかなかったんです。スキー部があるし(笑)。だから4年間、デザインの事よりもスキーばっかりしてましたね。

デザインのことをやり始めたのは、大学を出てからです。学校の課題はあったけど、学校の課題ってあくまで課題だから全然やる気がしないんですよ。実際の生活の中でやることが、デザインだと思っていたので、とにかく早く仕事したかったです。デザインを使って、何か世の中がよくなるようなことができるならば、仕事は何でもいいと思ってました。そういう意味で、こういうことやりたいというのはなかったですね。どこにいってもできると思ってたから。

遠藤:今後、やってみたいことを教えてください。

萩原:そうですね。学校で自分のやってきたことを話すことがあるんですけど、デザイナーになりたい学生に対して話しても、どうしてもずれがあるんですよね。それで考えたんですけど、「自分はデザインしない」というスタンスでデザインに関わる、デザイン・プロデュースやデザイン・ディレクションを学ぶためのコースができたらいいと思うんです。企業内で商品開発に携わる人たちも参加できるようなね。というのは、結局、発注する側に意識がないと、デザイナーがどんなにがんばっても、能力を充分に発揮できないんですよ。そして、デザイナーも、誰もプロデュースしてくれないから、仕方なくセルフプロデュースしている感じがするんです。だから、企業にもデザイナーにも、そういった人材が必要なんじゃないかと思っています。