4.子どもの感覚と大人の能力
遠藤:子ども観って人によって全然違うからおもしろいと思うんですけど、萩原さんの子ども観について教えて頂けますか?
萩原:それでいうと、二年ぐらい前に、つくし文具店1“>つくし文具店:『つながるくらしとしごと』をテーマに、新しい時代の住宅街の文具店を目指す、東京・国立にある文具店。店番は日直制で、モノづくりやデザイン、小さなお店に興味のある人が自主的に参加するコミュニティースペースにもなっているを始めて、店に座ってた時に、大学生の気分に戻れたんですよ。大学の時って、本当にやりたいことをやってた感じがあったんですよね。それで、その時に、「あぁやっと大学生に戻ってきた」って思った。それで、もっと遡って子どもに戻りたいなって思うようになりました。でもなかなか戻れないです。もう頭でっかちになってるから。
「子ども」って一言でいっても、いろんな子がいると思うんですけど、僕の場合は子どもの頃の方が、感覚的には鋭くて、客観的に物事を見てたような気がするんですよ。だからもっと客観的に物事を見られるようになることが、自分にとっては、子どもに戻るって事なのかなっていう感じがしてます。
世の中をもっと客観的にみたら、変な事っていっぱいあるはずなんですよね。子どもの頃の方がいろんなことを変だと思ってた。でも、今は変だっていうより、しょうがないっていうふうに思ってしまっているので、そういう意味で、もっと客観的になりたい。どう考えても変だよねっていうことを素直にそう思えて、それを何とか変えたいっていうエネルギーを持つこと。
大人の方が子どもよりも変える力はあるような気がするので、子どもの感覚と大人の能力を組み合わせた状態に持っていけたらと思っているんですけどね。

遠藤:子ども時代は、どんな遊びをしていましたか?
萩原:体を動かすことがとにかく好きでしたね。子どもって何もなくても、ただみんなできゃあきゃあいってるだけで楽しいんですよね。あれってすごいですよ。そういう感覚に大人がなれたらいいなあって思うんだけど。
この辺は原っぱだったので、夜暗くなるまでみんなで騒いで、野球とかしてましたね。飽きるっていうことはなかったです。勝手にルール作って遊んで、また変更して、突然やめたり、始まったりする。そういうのってやっぱり大人にはできないなあっていう気がします。