3.過不足なく関わる

ごはんも屋外で。焚き火の傍で素材の味を活かしたシンプルなごはんをいただく
ごはんも屋外で。焚き火の傍で素材の味を活かしたシンプルなごはんをいただく

―ぴっぴのスタッフとなられて今年で4年目ということですが、子どもたちとの関わりはどのように変化していますか?

本城:一年目はどうしたらいいかも全くわからなかったですね。子どもとは、過不足なく関わる必要があると思うんです。でも、最初はその加減もわからない。例えば、ある子が棒を持って遊んでいる。楽しそうだけど、危ない。どのタイミングで声をかけるか迷うわけです。この場合、早く止めてしまうと、過干渉になってしまうし、子ども同士でけがをさせるようなことがあったら、関わりが不足していると言えると思います。そういう具体的な判断をひとつひとつ経験しながら、だんだんとそのまま見守れるようになってきて、声をかける時の言葉やタイミングもわかるようになってきたように思います。「その棒の長さはどれくらい?」と声をかけて、自分の身長よりも長い棒は、他の人にあたってしまう可能性があるから、切るようになっていったんですけど。いまでは、子どもたちが自分から身長と棒の長さをはかって、切るようになりました。経験を重ねることで、「過不足なく関わる」ということがどんなことなのか、なんとなく見えてきた気がします。

―過不足なく関わるためにどんなことが大切だと思われますか?

本城:よく観察して、じっくり待つことだと思います。4年間でみえてきたのは、やっぱりみんなバラバラで全然違うんですよね。子どもをひとつの型にはめて考えるということは、ある意味子どもをばかにしていることにもつながってしまうわけです。自分の子どもだって、同じように育てていても、全然違うんですよね。ひとりひとりが欲しいコップの大きさも違うし、水を入れて欲しい場合もあれば、お湯のほうがいいときもあれば、コーラのほうがいいときもある。いまのその子の状態を見ることに意識を注ぐようにしています。

遊具がなくても、子どもたちは次々に遊びをつくりだす
遊具がなくても、子どもたちは次々に遊びをつくりだす

―これまで中学生や高校生、大学生などさまざまな年代に関わられてきたと思うんですが、幼児教育に携わることについて、特別な魅力を感じていますか?

本城:僕は、子どもが特別に好きなわけじゃないんですよ。子どもに魅力を感じているから幼児教育に携わっているというよりも、人間のすごさとか、おもしろさに惹かれているんだと思います。子どもでも大人でも、伝えるための言葉は違ったとしても、関わりのあり方は変わらないですよね。そういう意味では、言葉よりもさらにその場の関わり方が重視される幼児教育の現場には、とても本質的なものがあるような気がしています。