4.大きな社会の流れの中で

—幼保一元化など、保育、幼児教育の現場の転換期を今まさに迎えていると思いますが、どのように受け止められていますか?
紘良:保育の現場の中で変化をどう活かせるか、どうしわ寄せが来るのか、というのはすごく大切なものをつきつけられているという気はしています。どう折り合いをつけていくかだと思うし、答えはないと思う。安定している時代はもう過ぎてしまったので、複雑な思いはありますけど、積極的に変えていかないと何も生まれないと思っています。本当に大切なものは変わらないから、根っこの部分は安定していると思いますが、園の環境はどんどん変化していくと思います。
—学校教育に入る前の幼児教育や保育のあり方こそ、最も重要視されるべきだと思っているんですが、なかなかそういう考えを持っている人は少ないような気がしています。
紘良:全くそのとおりで、現状はとても軽んじられていると思います。その原因をたどっていくと、大人が子ども時代と対話していないからというところに行き着くんじゃないかと思っています。自分の子ども時代、自分の内面と向き合う余裕が今の社会にないのかもしれませんね。