【こどものカタチ研究会】「生まれる」を起点に考える (申し込み締めきりました)

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出産をめぐっては、産んだ人産まない人を含めて、さまざまな体験があり、その上での考えがあります。考えの違いは、子育てをめぐってもあるものですが、それ以上に出産をめぐる違いの溝は大きく、深いと感じます。それだけ、女性にとって強い体験なのでしょう。

産む場所が少なくなり、地域によっては選択することも叶わず、経済的・身体的な理由で選べない人たちも大勢います。私自身は、どのような出産であっても、女性がその身体をかけているという点で本質的には同じだし、こうでなければ、というようなことはないと思っています。むしろ、こうでなければ、という考えが見えなくしてしまうものを警戒したいと思っています。

そうした大前提があった上で、それでもやっぱり哺乳類としてのあたりまえがあたりまえにできる身体と、それを可能にする環境が、次の世代、次の次の世代にも残されているといいと素朴に思います。しかし現実は厳しく、医療者や専門家の方々が「女性の身体が変わった」「産むこと自体が難しくなっている」と異口同音に語る姿を見ていると、哺乳類ヒト科のひとりとして不安に駆られます。さらに視野を拡げ地球規模で考えると、この流れは止められない気さえしてきます。私たちにできることは、これ以上、流れを加速しないようにすることくらいなのかもしれません。それでもなお、次世代を育てている私たちにできることがあるとしたら、それは一体どんなことなのでしょうか?

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さまざまな背景をもった人たちが自分に引き寄せて考えていくために、「産む」側ではなく「生まれる」側に立ってみたらどうだろうと考えました。出産とは、「産む」「生まれる」2人の人の「人生の一大事」が同時に起こる営みです。しかし、出産とその周辺の情報は、ほぼ100%「産む」側の立場にたって発信されています。わたしたちは「産む」前に「生まれる」側であったはずなのに。

「生まれる」を起点にすると、出産とその周辺の景色は随分と変わるはずです。「わたし」でない「個」として生まれくる人がこの世界で最初の一日をどう体験するか。そう想像するだけで新たな視野がひらける気がするのです。

今回のこどものカタチ研究会では、助産師の信友智子さんをお招きして、出産の1日を追ったドキュメントを「生まれる」側の視点で共有しながら、参加者のみなさんと一緒に出産とその周辺の事柄を大きな観点をもって考える時間にできればと思っています。

出産がすでに自分事になっている女性たちだけではなく、いつか子どもを産むかもしれない人や、出産から遠いところにいると感じている男性にこそ聞いていただきたい内容にできたらと思っています。みなさんのご参加をお待ちしています。

 

<<開催概要>>

こどものカタチ研究会 vol.11
「生まれる」を起点に考える ー出産とその周辺の事柄からー

開催日時:2015年12月12日(土)10:30〜12:30
会場:trene(福岡市中央区警固2-9-14)
参加費:1500円
話し手:信友 智子さん(助産師/春日助産院院長)
聞き手:遠藤 綾・酒井咲帆
お申し込み:定員となりました。
お問い合わせ:こちらからメールにてお願いします。

主催:こどものカタチ
協力:春日助産院、trene、albus

※終了後、信友智子さんを囲んでの昼食会をおこないます。参加希望の場合は、申し込みの際にお知らせ下さい。ランチを各自会場で注文していただきます。
※託児はありませんが、お子さん連れの参加は歓迎です。各自、見守りあいながら参加いただければと思います。
※参加される方は、信友智子さんのインタビューを読んできていただけるとさらに楽しめると思います。
※参加申し込みの際に、インタビューを読んで考えたこと、聞いてみたいことなど(あればで大丈夫です)をご記入いただけると嬉しいです。

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信友智子さんインタビュー「全身全霊で受け止める」
インタビュー編集後記
春日助産院