鈴木潤さんインタビュー

#003 鈴木 潤さん

5.本が旅立つ時

遠藤:お店にいて、一番うれしい時ってどんなときですか?

鈴木:本が売れたときです。わたしが選んだ本をお客さんが買ってくれたときっていうのは、「本が旅立った」という感覚になるのね。「今からこの本を読むのか、うらやましいなあ」とか、「この子、大人になってもこの本のこと、憶えとるかな」とか、いろいろ考えてうれしくなりますね。

遠藤:これからどんなお店にしていきたいですか。

鈴木:わたしの場合、すでにメリーゴーランドという土壌があっての京都店なので、スタートからとても恵まれていると思うんだけど、増田をはじめ、歴代のスタッフや、今までメリーゴーランドを支えてくれた作家さんやお客さんがつくってきた時間には到底かなわない。だけれど、私は私のやりかたで、少しずつお客さんの顔を覚えて、ていねいなやりとりを重ねていけたらと思っています。それは日々の積み重ねだと思うし、それが財産になるでしょう。

遠藤:今日は本当にありがとうございました。

Profile

鈴木 潤(すずき じゅん)メリーゴーランド京都店 店長 三重県四日市にある「子どもの本専門店メリーゴーランド」で13年企画を担当。増田喜昭と共に1997年より作家灰谷健次郎氏を訪ねる子どもキャンプ「あそびじゅつIN沖縄」を立ち上げる。他にスウェーデン在住の作家ヨックム・ノードストリューム氏やウルフ・スタルク氏を訪ねたり、アメリカ各地にあるチルドレンズミュージアムを訪れるなど海外ツアーを多く手がける。また、ドイツ、ミュンヘン市で2年に一度開催される「ミニミュンヘン」を訪れ、四日市で子どもがつくる子どものための子どものまち「よっかいちこどものまち」の立ち上げに携わり、大人と子どもをつなぐイベントなどを仕掛ける。2007年京都店の出店にともない京都に移住。店長を務める。読み手に一番近いところで本を手渡す仕事に生きがいを感じている。2009年夏に男の子を出産。少林寺拳法二段。 〒600-8018 京都市下京区河原町通四条下ル市之町251-2 寿ビル5F Tel/Fax 075-352-5408 メリーゴーランド京都店 HP