#002 萩原 修さん

2.日常を追いかけていきたい

コドモといっしょの道具の店「こぐ」
コドモといっしょの道具の店「こぐ」の展示会は、定期的に行っている。

遠藤:「コド・モノ・コト」の活動で、大切にしていることを教えてください。

萩原:そうですね。基本的には、デザイナーの主体的な活動をサポートしている感じなんだけど、方向性としてあるとするなら、自分の子どものためにデザインするんじゃなくて、もうちょっと広い範囲での子どもに向けてつくりたいということと、子どもだけじゃなくて、大人も満足行くような日用品をつくっていきたいと思ってます。というのは、よく子どもが喜ぶからっていう基準で、親は子どものものを選んだりすると思うんですけど、子どもってキャラクターが付いてたりとか、ピンクだったりとか、感覚的な好き嫌いでしか選べないところがあると思うんです。まだ、そんなにたくさんのものを見ているわけじゃないしね。ものにもよるし、年齢にもよるから、すごく難しいところなんですけど、子どもも大人も満足するっていうことが大切だと思っていて、こういうところが他の子ども関連の活動と違うところなのかな。

あとは、メンバーにプロダクトあるいは造形作家的な人が多いので、「デザイン」という切り口を大事にしていますね。そして、あくまで日用品がテーマ、日常をしつこく追いかけていきたいと思っています。

「もってくてん」
2008年10月に開催された「もってくてん」の様子。こどもといっしょのおでかけにもっていくモノをテーマに10組のデザイナーが参加した。

Profile


萩原 修(はぎわら しゅう)
デザインディレクター 1961年東京生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。 大日本印刷を経て、93年よりリビングデザインセンターOZONEで、住宅、家具、日用品など生活デザインの展覧会を300本以上担当。 04に年独立し、書籍、日用品、店舗、展覧会、コンペなどの企画、プロデュースをてがける。また、『コド・モノ・コト』『中央線デザイン倶楽部』『国立本店』『未来本』『かみの工作所』『カンケイデザイン研究所』『てぬコレ』など独自の活動を推進している。 著書に「9坪の家」「オリジンズ」「デザインスタンス」「コド モのどうぐばこ」などがある。2005年には、実家の後を継ぎ、『つくし文具店』店主になる。

コド・モノ・コト
http://www.codomonocoto.jp