#001 西村 佳哲さん

#001 西村 佳哲さん

#001 西村 佳哲さん インタビュー

世界の意味を見つけていく

西村佳哲さんのことをはじめて知ったのは、友人から強く薦められて読んだ、著書『自分の仕事をつくる』がきっかけでした。以来、わたしにとってこの本は、迷った時に立ち戻る大切な場所になり、何冊友人にプレゼントしたかわかりません。

西村さんは、働き方研究家としてのお仕事、ものづくりのお仕事、大学などで「プレデザイン」という授業をもたれる一方で、子どもや親子を対象としたワークショップを企画されていたりと、デザインを軸としながら幅広く活動されています。今回、子どもを対象としたワークショップにどのように向き合われてきのか、自らの子ども時代、子どもの遊びや環境についてなどじっくりお話を伺いました。トップバッターにふさわしく、さまざまな問題提起を含んだ興味深いインタビューになっていると思います。

1. ワークショップ

遠藤:西村さんは、ものづくりのお仕事以外にも様々な活動をされていますが、まずはわたしも体験したことのある子どもを対象としたワークショップについて、教えていただけますか?

西村:子どもを対象としたものでいうと、リビングワールドで『小さな木をつくろう!』1『時間虫めがね』2、『土の10日間』3 と3つのワークショップをやりました。『小さな木をつくろう!』では、クラフトボックスを使ったんですけど、それは「箱」が時間を超えやすいからなんですよね。子ども向けのワークショップって、やたらゴミが出るのがすごく嫌で。子どもの頃つくったものに、10年、20年後に再会できる可能性があるものをつくりたかったんです。

小さな木をつくろう!

小さな木をつくろう!

小さな木をつくろう!

2002 年 8月に世田谷区で開催された、小学生向けの夏休み・ものづくりワークショップ「小さな木をつくろう!」の様子

『小さな木をつくろう!』は、その場限りだったり、ゴミがたくさん出るっていうワークショップの問題に対するアンチテーゼだったと思う。でも、やっぱり子ども向けのものだったなと思っていて、その後企画した『土の10日間』や『時間虫めがね』では、大人も子どももフラットな関係、子どもも大人も「わからない」状態をつくろうって思ったんだよね。

2004年4月に東京・代官山ヒルサイドテラスの屋上にあるギャラリー「温室」を会場に開催した、家族で一緒に体験できるワークショップ「土の10日間」

2004年4月に東京・代官山ヒルサイドテラスの屋上にあるギャラリー「温室」を会場に開催した、家族で一緒に体験できるワークショップ「土の10日間」

『土の10日間』でいうと、なにもやってないのに、芽が出てくるっていうことに大人もやっぱり驚くし、出てきたものが何かっていうのも、さっぱりわからないし、そういう二人ともわかんない状態ってすごくいいなと思う。それで、3、4か月すると、「あ、これ柏葉だ」とかわかるようになってきて、ワークショップはずっと続いていく。

でも、その3つのワークショップの後に、子ども向けのワークショップってやってないんですよ。なんでやらないかっていうと、少し乱暴に聞こえるかもしれないけど、みんなちょっとやりすぎな感じがしてね。子どもへの過干渉ってすごい問題だと思ってて、ほっといた方がいいと思ってるところがあるんです。少子化が進むと、ますます子どもたちにエネルギーが集中していく。子どもへの過干渉って、全社会的に強くなっていると思うんですよ。

時間虫メガネ

時間虫メガネ

  1. 「小さな木をつくろう!」2002年8月に世田谷区で実施。小さな紙箱の中に、自分の理想の木をつくる、小学生向けのものづくりのデザインワークショップ
  2. 「時間虫めがね」 2003年の初夏、慶應義塾幼稚舎にて実施。時間旅行展(日本科学未来館)での展示物 「A DAY/生命のリズム」をつくる過程で生まれた小さなアイデアを発端にしたワークショップ
  3. 「土の10日間」 2004年4〜5月に実施。種もまかなくても、ただ水をやるだけで土から芽はでるのか? 親と子が同じように驚いて、長い時間にわたり体験を共有できるワークショップ

プロフィール

西村 佳哲(にしむら よしあき) プランニング・ディレクター 1964年東京生まれ。武蔵野美術大学卒。 つくる・書く・教える、三種類の仕事。建築分野を経て、ウェブサイトやミュージアム展示物、公共空間のメディアづくりなど、各種デザインプロジェクトの企画・制作ディレクションを重ねる。 多摩美術大学をはじめいくつかの教育機関で、デザイン・プランニングの講義やワークショップを担当。リビングワールド代表(取締役)。全国教育系ワークショップフォーラム実行委員長(2002〜04)。働き方研究家としての著書に『自分の仕事をつくる』(ちくま文庫)、近著に「自分をいかして生きる」(バジリコ出版)がある。 リビングワールド以前の仕事「センソリウム」(1996〜98)は、オーストリア・Ars Erectronica CenterのPRIX '97|.net部門で金賞を受賞。(プロジェクト・チームでの受賞。全体のマネージメントと企画・制作のディレクションを担当。 http://livingworld.net

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