編集後記:全田和也さんインタビュー

全田さんにインタビューをしたのは、2016年4月の終わりでした。1年間通っていた「パーマカルチャーと子どもの未来研究室」が3月に終わり、心にぽっかりと穴が開いたような、なんだか落ち着かない日々を過ごしていた中での、ごかんのもり訪問に、ほっとしたことを覚えています。

このインタビューで私が受け取ったキーワードは「調和」です。ありのままの個を受けとめ、それぞれの特徴を踏まえ、全体として調和させる。しかもここでいう調和は、個と個の1対1の相互作用にとどまらない、全体での複雑な相互作用のこと。
この「調和」という視点でみると、目の前のひとつのものごとが広がりをもって見えてきます。それが自分にとって「いい/悪い」ではなく、それは全体にどう繋がっていてどんな役割を持つのか?と捉え直すことができます。

思い返せば、インタビューのきっかけとなった「パーマカルチャーと子どもの未来研究室」での心地よい体験も、調和の産物だったのかもしれません。個として尊重されながら、あの場に無理なく有機的につながっていた感覚こそが、心地よさの根源だったような気がします。

「子どもの個を尊重して自尊心のある子どもを育てたい」というような表現を耳にすることがありますが、それはちょっと違う(というよりも、不十分)かもしれないと感じ始めています。
目の前の子どもだけ見ても「個」や「個の特徴や役割」は見えてこない、もっと子どもたちの周辺部まで含めて見ることが必要なのではないか?そんなことを今、考えています。

(橋本)