求人情報:小さな保育園の大きな冒険がはじまります

羽黒山でのペアレンティング・キャンプの写真から photo:疋田千里 
羽黒山でのペアレンティング・キャンプの写真から
photo:疋田千里

山形に引越してきてから、早くも5ヶ月が経とうとしています。雪と風の洗礼を受けつつも、美しい月山や鳥海山を臨みながらの子育てと仕事の日々は、あいかわらずのドタバタぶりではありますが、とても充実しています。

さて、今週やっと、開設準備に携わっている保育園の求人情報を公開することができました。保育士さん、看護師さん、調理士さんを募集しています。

2012年頃から保育園という場づくりに関心を持ってきました。子どものカタチでも、中瀬幼稚園の井口佳子さんや、森のようちえん「ぴっぴ」の本城慎之介さんへのインタビューを通じて、知れば知るほど、その奥深さや尊さを実感し、関心が高まっていきました。いつか、保育園をつくりたい。という思いは、年をおうごとに大きくなり、保育士の資格をとってみたり、友人らと一緒に保育園づくりを前提としたグループをつくってみたりと、ここ数年
構想をあたためてきました。
そんな中、突然の出会いが訪れて、バイオベンチャー企業である「Spiber株式会社」で働くために、山形県鶴岡市に家族で移住しました。その決意を固めた要因の一つとなったのが、保育園づくりに携われる、ということでした。現在、社内外の仲間たちとともに2017年秋開所を目指し、内閣府が主導する企業主導型保育事業助成金を得て、まずは0~2歳、定員15名の小規模な事業所内保育園をスタートさせる予定で準備を進めています。

企業主導型保育事業助成金には、賛否両論あると思います。認可外の扱いで、助成金額は認可園並みとなるという破格の制度に、保育の質が確保されるのか、どちらかというと、厳しい視線を注がれていると思います。確かに、運営を保育サービス業者に委託するパターンが多くなるのではないかと思います。それでは結局、会社がサービスとしての保育を買う、という消費の構造が拡大するだけのように思います。

先日、ある認可園の園長先生に「この制度の本質的な意味は、前提を覆すことではないか」と指摘されました。通常、認可園は「子どもへの援助」を核にしながら、それに続くものとして「子育て支援」を考えてきました。「子ども」がいて、その後ろに「家族」があり、「コミュニティ」がある。という捉え方です。企業主導型の場合、その前提が逆になります。先に「会社」というコミュニティがあり、そこに「家族」がいて、「子ども」がいる、と捉えることになります。この発想の転換は、大きな意味を持つ、という指摘でした。保育の内容だけでなく、それを支えるシステムにおいても、新たな取り組みを実現できる可能性があると思っています。そのために必須となるのは、高い保育の質の確保であり、さらにそれを支えるのは企業としての本気度であると思います。

「子どもにとって、よい保育とは?」「子どもとはどのような存在か?」という問いを抱えながら、この5ヶ月に渡って思考を深めてきました。やっと、おぼろげながら目指すべき方向性が見えてきた気がしています。これから先、星座のように輝く、多くの先達や土地の歴史に学びながら、ともに働いてくださる皆さんとの対話と実践を通して、大切なものを一つひとつ、掴んでいきたいと思っています。
多くの方にこの情報が届きますように!

応募要項など詳細はこちらをご覧ください。

—————-
<求める人物像>
・子どもたちのよき伴走者・通訳者としての保育者であろうとする人
・遊びに没入する力のある人
・子どもの行為のすべてを「表現」として受け取ろうと努める人
・自らの行為(言葉・所作・視線など)の意味を深く考え、よりよくしようと努める人
・観察・ドキュメンテーションに関心を持ち、積極的に取り組める人
・「生活体験」の豊かな人
・人に対しても自分に対しても、誠実な人
・様々なことに柔軟性を持って取り組み、自ら考え、実行する力のある人

<業務内容>
・0歳グループまたは、1.2歳縦割りグループの保育
・森や海など、自然の中での保育
・エピソード記述などのドキュメンテーション
・保護者へのエンパワメント

<応募資格について>
下記いずれかの免許を取得していること

・保育士免許取得者
・AMI国際モンテッソーリ協会発行の教師資格・アシスタント資格保持者(0-2・3-6など資格種別は問いません)

*使用言語について
英語と日本語、両方が自然に使われる環境を目指すため、採用者の内、少なくとも1名はネイティヴスピーカーが望ましい。残り2名も、英語での日常会話がある程度できるとなお良い。