インタビュー

#020 片岡佳奈さん

インタビュイーである片岡佳奈さんは、まちの薬局の薬剤師さんです。肩書としては薬剤師ですが、調剤や処方は彼女のはたらきの一部分で、その他にも、障がいを持つ子どもや若者、その家族とたくさん対話し、時間を共にする活動をしています。こういった活動の根っこには、彼女が、精神疾患を持つ父親と生活してきた経験があります。

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編集後記:末永美紀子さん インタビュー

今回のインタビューは、苦しんで苦しんで、書き上げたものです。 一度は編集をほぼ終えたインタビュー記事を、「やっぱり違う!書けない!」と立ち止まり、再インタビューさせてもらって、編集し直しました。(今回の記事は、2017年5月と2018年1月の2度のインタビューを編集したものです。) “子どもと親の利害は必ずしも一致しない” “親の都合で、障がいを持つ子どもが命を軽んじられることがない社会にしたい” 最初のインタビューの時、末永さんのお話を「そうだ!そうだ!障がいのある子どもの命を軽んじるなんてけしからん!」という気持ちで、深くうなずきながら聞いていました。 ところが、インタビューの編集がほぼ仕上がったある日、事件は起こりました。 ごく親しい友人が、妊娠中にトラブルに見舞われ、妊娠を継続するかどうかの判断を迫られることになったのです。 妊娠を継続すれば、子どもが望むことが難しい体になる。しか …

インタビュー

#019 末永美紀子さん

末永さんの保育園では、痰の吸引や呼吸器、チューブを使った栄養補給などの医療的なケアが必要な子ども、障がいや発達の遅れがある子ども、健康や発達に心配の少ない子ども、いろんな子が一緒に過ごしています。園で見た光景に「いろんな人と共に生きるとはどういうことか?」という問いのヒントがあるように感じたことから、このインタビューが始まりました。

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馬先生とわたし

1年半前から、馬先生に弟子入りしました。時折休みながらも、およそ二週間に一度のペースで牧場に家族で通うように。 これまで、かなり多くのことを馬先生から学んでおり、これはもしかすると、人生で必要なことはほとんど、馬先生と子どもに学べばOKではないかと思うくらい、とてつもなく深いことをじわじわ得ています。記録しておきたいな、と思いながら全く書けていなかったので、時々ここに書いていきたいと思います。 最近の馬先生からの学びとしては、メタ的には「恐れ」が今のわたしのテーマで、行為的には、「軽速足(けはやあし)」という動きの時に、手綱をゆるっともった状態を継続できるかどうかに挑戦中、ということになります。ガイドといって、鞍(くら)についている、電車で言うと吊り輪的なものをつかんでしまうのですが、本当はガイドがなくても、身体の中心が馬とあっていれば、落馬しないはずなのです。ただ、恐れからガイドを手放せ …

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ぼくたちに自由を!(こどもプログラムをふりかえって)

「どうせ“ごめんなさい”って言わせるんだ!」はじめての場所、はじめての友達、子どもにとっては緊張を伴う環境の中で起きた2日目午前中の出来事。子ども同士のケンカの間に入った時、ある男の子が私に向かって発した言葉でした。「ここではそうしないって約束するよ」咄嗟に私はそう応えていました。男の子の身体の緊張が少し緩んだように感じました。話し合いの結果、雨天時に備えて張ってあった、大きめのテントの中でケンカの続きをすることになりました。私は少し離れて、二人の話し合いに立ち会っていました。 相手に人差し指を向けて、大きく身振り手振りを加えながら、または身体を少しでも大きく見せようと、胸を張るようにして主張する様子が見られました。結局、話し合いは平行線を辿り、一人が、「もういい!」と言って飛び出して行った後、もう一人も飛び出していきました。先に出て行った子は、他の子どもたちのいるエリアに行き、もう一人は …

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みる、きく、さわる、抱きしめる(大人プログラムをふりかえって)

移動の疲れや興奮も少し解けた2日目の朝、大人プログラムは始まりました。自己紹介や今の気持ちのシェアリング、お互いの名前を覚えるアクティビティをして、一息ついてから、一番最初に行ったのは、次のようなワークです。 1.日々の子育てにおける困りごとは何ですか? 2.それがどんな状態になれば解決したと思えますか? 3.このキャンプが終わった時、どんな状態でありたいですか? 3つの問いを書いた紙に、それぞれ、参加者の皆さんの今の考えを書いていただき、再び紙を回収し、講座に入っていきました。 2日目の題材は、コモンセンスペアレンティング(CSP)。 CSPは、怒鳴ったり脅したりすることなく、子どもに何かを伝えるための“手法”のことです。 まず皆で、子どもに伝わりやすい言葉の選び方や態度、環境づくりについて確認し、その後で日々の困りごとやそれに対する声掛けについて語り合いました。 「一度見始めるとテレビ …

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ペアレンティングキャンプ2016をふりかえって

2016年9月に実施した、ペアレンティングキャンプ2016のレポートができました。(こちらからダウンロードできます) こどもプログラム、おとなプログラム、それぞれのふりかえりはこちらをご覧ください。 ぼくたちに自由を!(こどもプログラムをふりかえって) みる、きく、さわる、抱きしめる(おとなプログラムをふりかえって) 前回から2年ぶりの開催となった今回。2年前に比べて、メンバーそれぞれの拠点や仕事、家族も増えて、変化を感じながら、じっくりと議論し、準備してきました。私自身、福岡から山形へ移住したのが8月でしたので、キャンプは引越し後すぐのことでした。夫はまだ、福岡での仕事が残っており、子どもと3人の生活の最中。新しい仕事に新しい土地。全てが慣れない中で、いま思えばよくやろうと思ったものだ、と我ながら呆れ気味に思います。 キャンプを一緒につくってくださったメインナビゲーターは、軽井沢の森のよ …

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編集後記:全田和也さんインタビュー

全田さんにインタビューをしたのは、2016年4月の終わりでした。1年間通っていた「パーマカルチャーと子どもの未来研究室」が3月に終わり、心にぽっかりと穴が開いたような、なんだか落ち着かない日々を過ごしていた中での、ごかんのもり訪問に、ほっとしたことを覚えています。 このインタビューで私が受け取ったキーワードは「調和」です。ありのままの個を受けとめ、それぞれの特徴を踏まえ、全体として調和させる。しかもここでいう調和は、個と個の1対1の相互作用にとどまらない、全体での複雑な相互作用のこと。 この「調和」という視点でみると、目の前のひとつのものごとが広がりをもって見えてきます。それが自分にとって「いい/悪い」ではなく、それは全体にどう繋がっていてどんな役割を持つのか?と捉え直すことができます。 思い返せば、インタビューのきっかけとなった「パーマカルチャーと子どもの未来研究室」での心地よい体験も、 …

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#018 全田和也さん

2015年4月からの1年間、逗子にある保育園ごかんのもりで開催された「パーマカルチャーと子どもの未来研究室」に通った。「あの心地よい空間は何だったのだろう?」「子どもはどんな存在として捉えられていたのだろう?」という問いが終了後もずっと胸に残っていた。このプログラムの企画者であり、NPO法人ごかんたいそうの代表理事である全田和也さんに、保育園づくりやパーマカルチャーについて、お話を伺った。

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年のはじめに。

  2016年は、リスタートの年になりました。 福岡から山形へと拠点をうつして、新しい土地、新しい家、新しい仕事、新しい友だち。 あれもこれも、同じ日本なのに違う国みたいな、ニューワールド。 心の中が騒がしい。愉快な一年でした。 月山と鳥海山の雄々しい姿にはいまだに慣れることなく、毎朝毎夕、感嘆しています。 夏は涼しく、星がきれいで、窓を開け放って、空を眺めながらの夕食は格別でした。 秋になると、白鳥の声で目が覚めました。見渡す限りの黄金色の田んぼも、美しかった。 冬はまだはじまったばかりですが、まるで水墨画の世界にいるようです。 なにもかもが内側に篭っていくような静寂を、はじめて知りました。 これから本格的な冬を迎え、どんな感覚を味わうのか楽しみです。 子どものカタチでは、2回目のペアレンティング・キャンプを9月に開催しました。 わたしたちにとっては、大きな挑戦でしたが、本城慎 …

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求人情報:小さな保育園の大きな冒険がはじまります

山形に引越してきてから、早くも5ヶ月が経とうとしています。雪と風の洗礼を受けつつも、美しい月山や鳥海山を臨みながらの子育てと仕事の日々は、あいかわらずのドタバタぶりではありますが、とても充実しています。 さて、今週やっと、開設準備に携わっている保育園の求人情報を公開することができました。保育士さん、看護師さん、調理士さんを募集しています。 2012年頃から保育園という場づくりに関心を持ってきました。子どものカタチでも、中瀬幼稚園の井口佳子さんや、森のようちえん「ぴっぴ」の本城慎之介さんへのインタビューを通じて、知れば知るほど、その奥深さや尊さを実感し、関心が高まっていきました。いつか、保育園をつくりたい。という思いは、年をおうごとに大きくなり、保育士の資格をとってみたり、友人らと一緒に保育園づくりを前提としたグループをつくってみたりと、ここ数年 構想をあたためてきました。 そんな中、突然の …

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ペアレンティング・キャンプをふりかえって#1

9月のペアレンティング・キャンプから3カ月が経ちました。 スタッフ一同、疲れた体を少し休め、ようやくキャンプの報告書作成に取り掛かかりました。 私も担当した大人プログラムを中心に、改めてキャンプについて振り返ってみたいと思います。 大人プログラムでは、CSPやアンガーマネジメントやCAPなどの既存の理論を糸口に、皆で、子育てにおける具体的な困りごとや気づきについて語り合いました。 今回面白かったのは、子どもの年齢層の広さです。参加者で最も大きなお子さんがいる方は中学生(中学生はキャンプには来られませんでした)、最も小さなお子さんは0歳でした。子どもの年齢が違えば、当然子育てで感じている難しさも様々で、例えばダイアログで出た話題は、テレビやスマホの見せ方、幼いきょうだいのいさかいへの対処、食事のマナー、宿題に向かう姿勢など、いろいろなものがありました。 様々なステージでの話を聴き語る中で、「 …